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「知っていますか?」
今日も、彼女は意味深に声をかけてくる。

強迫性障害という病気と青春ブタ野郎というラノベ。(1)

雑記 医療

こんにちは。

突然ですが、「強迫性障害」という病気のことをご存知でしょうか?

「よくわかる 強迫性障害―小さなことが気になって、やめられないあなたへ (セレクトBOOKS こころのクスリBOOKS) /著 上島国利 有園正俊 」という本のAmazonの紹介ページには、このような記述があります。

強迫性障害は、「手を洗ってもきれいになった気がせず、何回も洗ってしまう」「戸締りが気になって何度も確認し、なかなか外出できない」「自分の不注意がもとで誰かが傷ついたらと不安で、刃物に近付けない」などの代表的な症状に悩まされる、心の病気です。自分でもわかっているのに、不安な考えやイメージにとらわれ、それを打ち消そうとして不合理で過剰な行為をしてしまいます。悪化すると一日の大半が症状に費やされて、日常生活に支障をきたし、学業や仕事が続けられなくなったり、うつ病を併発したりするなどの状態に陥ることもあるので…」

心の病というと、統合失調症であったりうつ病が有名で、この病気自体あまり知られていないのかもしれません。しかしなぜ今回この病気のことを取り上げたかというと、私自身この病気に近い症状を持っているからです。

 

 

私は約2年ほど前から1年間浪人生活をしておりました。朝起きて、予備校に通い、授業を受けて、帰ってきてゲームをして、寝る。次の年の入試に向けて毎日そのような生活を送っていました。最初の頃は特に何も感じず、模試でもとても良い結果が出ていたので「来年の今頃はきっと第一志望の大学にいるに違いない」と感じていました。

 

忘れもしない一昨年の8月の終わりのある日のことです。その日は昼過ぎから予備校でホームルームのようなものがある予定だったので、昼ごはんを食べてから向かう予定でした。支度に手間取った私は、予備校へは電車で通っていたので駅まで走っていくことになりました。食後に走ったためでしょう、急激な吐き気に襲われました。なんとかこらえて、そのまま予備校に向かいました。これが具体的に身に現れる全ての症状の始まりでした。

 

その日以来、背中の上の方に何かがずっと当たっている気がします。喉もなんだかつっかえる感じがして、つばを飲み込むのが辛いです。なにより、時折吐き気がします。しかもそのタイミングというのが道を急いでいる時や、坂を下っているときなのです。何かおかしいという気はしましたが、折しも大事な模試が迫っていました。やむなく病院に行くことはせず、そのまま放置していました。

 

最初は模試に対して緊張しているだけかと思っていましたが、それが終わって9月に入り、予備校の通常授業が再び始まっても症状が続き、段々酷くなってきました。しかも、吐き気がする度に戻しはしないものの傍から見ると吐いているように見えているので、人目をものすごく気にするようになりました。授業中も今にも発作が起こるのではないかとビクビクしてしまい、とても話を聞くどころの騒ぎではありません。授業は必死に耐えて、終わった直後にトイレに駆け込むという日が続きました。

 

あまりに耐えられなくなって予備校を休んだ日、ネットで「喉のつかえを取るにはどうしたらよいか」を検索してみました。すると、漢方薬の「半夏厚朴湯」という薬が効くことがあるという製薬会社の記述を見つけました(http://www.tsumura.co.jp/products/ippan/040/index_s.html)。でも、漢方薬なんて買い方すら知りません。更に検索を進めると、心療内科(精神科)で処方してくれる先生がいるとのことでした。

早速親に相談してみたのですが、元々その日予備校を休んだこと自体不満そうだったこともあり、「そんなもの本当に効くの?」とか「受験舐めてるんじゃないの?もっと頑張りなさいよ」と言ったことを言われたのをよく覚えています。今となっては親を責めるつもりは全くなく、なんの知識もない一般人がこういう反応になるのは自然な事だろうなと思います。しかし、当時の自分にとっては衝撃的でした。

 

そのまま2, 3日が経過した頃でしょうか、予備校の担当チューターに相談してみることにしました。すると、「塾のカウンセラーの先生に相談してみると良い」というお話でした。ようやく一筋の光が見えた気分でした。早速親と一緒にお話をしてみることに。カウンセラーの先生は私の話を一通り聞いてくださったあと、アドバイスをした上で心療内科に行ってみることをおすすめしてくださいました(ここらへんが記憶が少し曖昧で、自分から行くことを提案してカウンセラーの先生に行ってみたらと言われたかもしれません)。

 

地元に漢方薬も取り扱っている心療内科があり、先生が親切そうな方だった(意外と見た目は大事です。)のもあり、ようやく心療内科を受診する決意が整いました。「精神科」という響きが強烈で、自分がよもやそこにお世話になろうとは想像していなかったので戸惑いも多くありました。それでも、家から外出するだけに留まらず、家の外に出ることを考えただけで吐き気がするこの状況をなんとかしたくて受診しました。

先生は予想通り優しくて若い先生で、怖い感じは全くありませんでした。そこは大きかったですね。その先生に症状であったり今までに起こったことをお話したところ、次のようにおっしゃってくれました。

「予備校はしばらくお休みにして、完全に勉強のことから離れよう」

これは塾のカウンセラーの先生にも言われていたことだったので、素直に従うことにしました。また例の漢方薬も処方してくださったのですが、運良く効果があり喉のつかえは取れました。

 

その後1ヶ月ほど授業には全く出ず、家でもシャーペンを持たず、読書をしたり写真を撮ったりととにかくストレスから離れるような生活をしました。予備校に行ってカウンセリングも受けつつ、心療内科にも通いました。この頃私の大きな支えになってくださったのはどちらかといえばカウンセラーの先生でしたね。というのも塾のカウンセリングは時間予約制で、1時間は絶対にカウンセラーの先生が話を聞いたりしてくださる保証があったので、「私の話なんかさっさと切り上げて終わりにしよう」なんて思われていてもまだ話が続けられるからです。心療内科の方はもちろん喜ばしいことなのですが、患者さんが多く診療時間も開始時間しか決まっていなかったので、話し足りずに終了ということが多かったためです。

 

10月に入った頃、予備校の授業に少しずつでも戻ってみようということになりました。もちろん症状は続いています。心療内科の先生は薬を「半夏瀉心湯」というのにグレードアップしてくれました(ただでさえ漢方薬ですから、元から苦いのに更に苦くなりました…)。朝ラッシュの電車では、吐きそうになるのを周りから見てどう思われているのだろうということばかり考えて、それで悪い結果を想像して余計に気持ち悪くなるという悪循環に陥っていたので、人の少ない各駅停車で通学していたのをよく覚えています。いつでもこの先に起こるであろう未来を予想して、そのたびに悪い結果を想像して苦しくなるという癖がついてしまっていました。やめたくてもやめられません。それでも、目立ちにくい大教室の講義などを狙って、なんとか一日一時間ずつといったように授業に出れるようになりました。

 

試行錯誤しながらなんとか入試のシーズンになりました。連日緊張の嵐で、試験時間の関係でラッシュの電車にも突撃して、本当に辛い毎日でした。それでも家族の支えもあって、なんとか当初の第3希望の大学に入れたときのことは忘れられません。正直受かると思っていなかったので、自分の受験番号を合格者一覧に発見したときは「あーこの一覧は誤植があるんだな。それで正しいやつには自分の番号がないんだろうな」という例の悪い癖が出るほど信じられませんでした。

 

…意外と受験が終わるまでの部分で文章が長くなってしまったので、この続きは別の回で書こうと思います。ただ1つ言いたいのは、もし同じような症状で苦しんでいる方がいて、偶然にもこの記事を読んでくださる方がいるならば。「自分と似たような症状だ」と思ってこれからの参考にしてくださったり、周りの方に相談する決意ができたような方がいらっしゃれば。これ以上苦しまれるかたが少しでも減られるよう願う身としては、こんな幸せはないなと思います。